平屋をお考えの方へ!平屋と相性が良い片流れ屋根を選んでみませんか?

  • お役立ちコラム

2023.06.03

平屋の家づくりは、一般的な2階建ての家づくりとは異なる部分も多いです。
間取りが違うのはもちろんですが、それ以外にも機能面やデザイン面など、あらゆる部分で平屋ならではの知識や考え方が必要になることがあります。
屋根も、そうした部分の1つです。
そこで今回は、平屋で採用されることの多い「片流れ屋根」について、メリット・デメリットや注意点をご紹介します。
平屋の家づくりをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

□平屋で片流れ屋根を採用するメリット

1.建築費が安くなる
片流れ屋根は名前の通り、片側にのみ傾いている屋根で、傾斜が1つしかないことからシンプルな構造をしています。
そのため、他の屋根に比べて建築コストが安くなるといった利点があります。

2.おしゃれでスタイリッシュな外観になる
傾斜が1つしかないシンプルな構造は、無駄のないスタイリッシュな印象になります。
直線的で丸みのないシルエットになるため、現代的でモダンなテイストの家とは特に相性が良いでしょう。

3.太陽光パネルが設置しやすい
1枚の大きな屋根を取り付けるため、屋根の面にたくさんの太陽光パネルを設置できます。
南向きに傾斜している片流れ屋根にすれば、効率的に太陽光から発電できるでしょう。

4.広々とした屋根裏スペースができる
片流れ屋根で勾配をつけることで、屋根裏スペースが広く生まれ、空間を最大限活用できるようになります。
2階のない平屋は平坦で味気ない間取りになるイメージがあるかもしれませんが、屋根裏空間を活用すれば、変化や遊び心のある楽しい間取りを実現できます。
屋根裏は収納スペースとしてだけでなく、寝室や書斎、子供の遊び場などとしても活用できます。

□平屋で片流れ屋根を採用するデメリット

1.雨漏りのリスクがある
片流れ屋根は、他の屋根に比べて雨漏りリスクがやや高いと言われています。
片流れ屋根の頂上部分は構造上斜め上を向いており、その付近に落ちた雨水が屋根の裏を伝って外壁に流れてしまうからです。
どの屋根にも雨漏りリスクはありますが、片流れ屋根は構造上特に注意が必要であると言えるでしょう。

2.雨樋(あまどい)が壊れやすい
傾斜が1つしかないため、屋根で受け止めた雨水はすべて同じ方向に流れます。
その結果、1つの雨樋が雨水をすべて受け止めることになるため、他の屋根に比べて雨樋が壊れやすくなります。

3.雪と相性が悪い
雨と同様、降ってくる雪も1つの方向にしか流れません。
そのため、積もった雪が落ちるときに、一度に大量の雪が落ちてくることになります。
雪の落下によって事故が発生するリスクが高まることと、雪かきが大変になることは片流れ屋根ならではのデメリットであると言えます。

4.湿気が溜まりやすい
大きい屋根が1つしかない片流れ屋根は、空気の循環が悪く、湿気が溜まりやすい傾向にあります。
湿気が溜まると建物の材木が劣化しやすくなったり、健康に悪影響が出たりするおそれがあります。

□片流れ屋根の注意点

*空間のバランスを考える

片流れ屋根のデザインを考える上で重要なのが、「勾配をどれくらいつけるか」ということです。
勾配を大きくすると、よりスタイリッシュでクールな印象になり、屋根裏空間も広く確保できます。
反対に勾配を小さくすると、落ち着いた穏やかな印象になる分、屋根裏空間は狭くなります。

屋根裏を活用する予定がない場合は勾配を大きくすることにあまり意味がないため、一般的な勾配で良いでしょう。
空間をどのように使いたいか、どんなバランスにしたいかによって、適した勾配が変わってくる点には要注意です。

*雨漏りに注意する

前述したように、片流れ屋根は雨漏りのリスクが比較的大きいです。
そのため、新築時にはどれだけ雨漏りのリスクを軽減できるかが非常に重要なポイントの1つとなります。

片流れ屋根の雨漏りは、屋根の裏面の軒天部分を水が伝って建物内に浸入することが主な原因です。
水が伝わることを防ぐには、屋根の頂上部に透湿性のあるルーフィングを被せる方法があります。
雨の浸入しやすい屋根の頂上部の隙間を塞いで、ブロックしてしまうのです。

他には、隙間ができないようにすることも効果的です。
例えば、雨漏りしやすい屋根と外壁の接合部分のメンテナンスをこまめに行い、必要に応じてコーキングなどを施すことが対策として有効でしょう。
新築時には、施工実績のある頼れる業者に依頼することも大切です。

□まとめ

今回は、平屋で片流れ屋根を採用するメリット・デメリットと注意点をご紹介しました。
片流れ屋根には、建築費が安い、スタイリッシュな見た目になる、太陽光パネルを設置しやすいなど、素敵なメリットがいくつもあります。
一方で、雨漏りのリスクがある、雨樋が壊れやすい、雪に弱いといったデメリットも存在します。
片流れ屋根を選ぶ際には、デメリットについてもよく理解して、対策方法を考えながら検討してみてくださいね。

投稿者プロフィール

丸三建築工房 編集部
丸三建築工房 編集部
丸三建築工房が提案する住まいは、流行に左右されない普遍的デザインと自然素材を特徴とした、何年経っても心地よい住まい。
ワインやファッションに時間が経つほど価値を増す「ヴィンテージ」があるように、住まいにも時が生み出す愛着と経年美があります。
親から子供へ孫へと受け継がれ、いつまでも美しくみんなから憧れる住まいとして、価値ある資産となる家をつくります。

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