注文住宅を頭金なしで購入するメリット・デメリットは?

  • お役立ちコラム

2023.03.20

仲介手数料、不動産取得税、付帯工事費…
注文住宅の購入にあたっては、建物や土地本体の価格だけでなく、上記のような様々な費用が発生します。
そうした費用の1つである、「頭金」は、各種費用の中でも支払う金額が大きいため、実際に住居を購入する前には特によく確認しておく必要があります。

しかし、中には頭金を支払うことなく住居を購入できるケースもあります。
そこで今回は、頭金なしで注文住宅を購入するメリット・デメリットをご紹介します。

□頭金とは?

頭金とは、住宅ローンを利用して住まいを購入する場合に、はじめに自己資金から現金で支払うお金です。
一般的に、住まいの購入にかかるお金は住宅ローンを借りて支払うことになります。
ただし、頭金を支払う場合は、購入費用の全てをローンで支払うのではなく、頭金で支払った分以外の部分をローンで支払うことになります。
つまり、頭金が大きいほどローンの借入額は小さくなるということです。

頭金を支払うことにはローンの借入額を減らせるというメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
同様に、頭金なしで住宅を購入することにもメリット・デメリットがあります。

以下では、頭金なしで注文住宅を購入するメリット・デメリットをご紹介します。

□注文住宅を頭金なしで購入するメリット

1.物件を早く購入できる

頭金を支払わない場合は、貯金が貯まるのを待つことなく、すぐにローンを借りて物件を購入できます。
そのため、初めから「頭金なしで家を購入する」と決めておけば、良い物件が見つかったときに、いち早くその物件を購入できます。
すぐに購入することで、「貯金が貯まるのを待っていたら目をつけていた物件が売れてしまった」といった事態を回避できます。

2.生活費や教育費にお金を回せる

本来であれば頭金に回す予定だった資金を手元に残しておくことで、生活費や教育費にお金をかけられるようになります。
住まいを購入して手持ちの資金がなくなってしまうと、資金不足により不測の事態に対応できなくなってしまうおそれもありますが、頭金なしで家を購入すればその心配はありません。

3.控除を利用しやすくなる

住宅ローン控除は、年末時点でのローン残高の0.7%が所得税から控除される制度です。
申告すると控除額が現金で還付されるため、控除分がお得になります。
2022年度以降、この制度は段階的に縮小が予定されていますが、物件によっては5,000万円までのローン残高が対象となります。

□注文住宅を頭金なしで購入するデメリット

1.審査が厳しくなる

頭金なしで住宅ローンを借りると、借入額が大きくなり、返済のハードルが上がります。
借入額が大きくなる分、そこに対して発生する利息も大きくなり、結果として頭金を支払う場合に比べて返済総額が大きくなります。
借入額が大きくなることによって、月々の返済が滞るリスクが高まるとともに、家や土地の売却価格が住宅ローンの残高よりも安くなってしまうリスクも高まります。

また、頭金なしで住宅を購入する場合、頭金の用意が難しい資金繰りを行っていると判断されます。
こうしたことから、頭金なしで住宅ローンを組もうとする人に対しては必然的に審査が厳しくなるのです。

2.返済総額が大きくなる

先ほども少し触れましたが、フルローン(頭金なしでローンを組むこと)を選択することは、返済総額が大きくなることに繋がります。
その理由は単純で、借りた金額が大きくなれば、それだけ利息も大きくなるからです。

「すぐにまとまった現金を用意するのは難しいが、どうしてもマイホームを購入したい」
「今は教育費や生活費にお金を回したい」
このような理由があれば別ですが、そうでなければ頭金なしで家を購入することは単に負担を増やしてしまうだけとも言えるでしょう。

3.金利上昇のリスクが大きくなる

変動金利でフルローンを選択する場合は、金利上昇のリスクに要注意です。
借入額が大きくなることは単に利息が大きくなることだけでなく、金利上昇の影響を受けやすくなることにも繋がります。
金利上昇リスクを考えずにフルローンを組むと、「借入当初は問題なく返済できる予定だったけど、金利が上昇したことで首が回らなくなってしまった…」といった事態に陥りかねません。

4.売却しにくくなる

ローンを完済していない状態で家を売却する場合は、売却によって得られた代金を利用してローンを完済します。
しかし、頭金なしの場合は総返済額が大きいため、家の売却代金だけではローンを完済できない可能性があります。
売却代金を充てても完済できなかった場合は、ローンの残債を貯蓄などの別の資金源から捻出することになります。
こうした理由から、頭金なしでローンを組むと通常よりも売却が難しくなるのです。

□まとめ

今回は、頭金なしで住宅ローンを組んで注文住宅を購入することのメリット・デメリットをご紹介しました。
頭金なしを選択することには、「生活費や教育費にお金を回せる」「物件を早く購入できる」などといったメリットがあります。
一方で、「審査が厳しくなる」「返済総額が大きくなる」「金利上昇のリスクが大きくなる」などのデメリットも存在します。
基本的には、頭金なしは返済負担が重くなるためデメリットの方が大きいと言えますが、場合によっては、それでも頭金なしを選択することにメリットを感じるケースもあるでしょう。
ご自身やご家族の都合を考えて、より合っていると思える選択をしてくださいね。

投稿者プロフィール

丸三建築工房 編集部
丸三建築工房 編集部
丸三建築工房が提案する住まいは、流行に左右されない普遍的デザインと自然素材を特徴とした、何年経っても心地よい住まい。
ワインやファッションに時間が経つほど価値を増す「ヴィンテージ」があるように、住まいにも時が生み出す愛着と経年美があります。
親から子供へ孫へと受け継がれ、いつまでも美しくみんなから憧れる住まいとして、価値ある資産となる家をつくります。

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